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第30回 体の痛みと枕

みなさん、こんにちは。
今回の「ばねの話と技術」は、記念すべき30号です。
いつも読んでいただいて、感謝です!
ありがとうございます。

私たち人間は、30代、40代と、歳を重ねて行くと、体のあっちこっちが痛いとか・・・、ガタがきますね。
例えば、首や肩が痛くなると「枕が合わないのかなぁ」とか考えたりしませんか?
若い時には気にもかけなかった「枕」。

さっそく寝具売場で、あれやこれや枕を試してみるのですが、結局、どれが良いのかがわからない。
そんな優柔不断な表情を読み取ってか、「枕はご自身の体型に合わせて作るのが一番いいんですよ!」と、思いっきりの笑顔で、店員さんからオーダー枕を奨められてしまいます。

でも、かなり高いので、また迷っていると「必ず」と言って良いほど奨められるのが、「低反発枕」。
これも、そこそこ高いのですが、オーダー枕ほど高くないし、首も肩も痛いし、「痛さが改善されるなら・・」と、買ってしまいました。

ばねの話

この「低反発枕」、英語ではA foam pillowやA memory pillowと言うようですね。
つまり、「形を覚えている枕」ですね。

この低反発枕の素材は、低反発ウレタンです。
この低反発ウレタンの上に生卵を落としても割れません。
それは、ショックを吸収するからです。

低反発のマットもありますね。 寝返りを打つと、ゆっくりと元の形へ戻ります。

このように、低反発ウレタンは、ショックを弾性の力で受け止め、ゆっくりと凹み、同じく弾性の力で、ゆっくりと元の形へ戻ります。

つまり、この低反発枕も「ばね」と言うことができます。

一方、「高反発ウレタン」というのもあります。

これはもう、弾性の力が大きいので、ショックを直ぐに跳ね返します。
高反発枕で寝ると、バレーボールやバスケットボールが床の上で跳ねるように頭が動いてしまいます。
高反発ウレタンの上に卵を落としたら、ピョ~ンと、何処かへ跳んでいってしまいます。

「ばね(弾性)」と聞くと、直ぐに「跳ねる」と思いがちですが、低反発ウレタンのように、「ショックを吸収する」利用のしかたもあるんですね。

人間の頭の重さは、人によって若干違いますが、大体5kgです。
寝ている間、その頭の重さを低反発力で支え、押し返しています。
人によっては、首を長時間(寝ている間)圧迫されて、むしろ首や肩に悪い影響を与える場合もあるらしいですよ。
その場合には、奮発してオーダー枕ですかね。

ばね

昔の日本人は、「せんべい布団」といって、薄い敷布団の上で寝ていたそうですね。 更にその昔は、板の上とか。
胃腸のためには、「硬い上で寝るのが良い」とも聞きます。

時々、時代劇を見ていると、木製の枕を使っていますね。
あの枕の高さは、ちょんまげを崩さないためらしいのですが、首が痛くならなかったんでしょうか?
朝起きたら、首がおかしくなってしまいそうです。
  さて、今回はここまでです。
次回の第31回も、是非、楽しみにしていてください。

それでは、みなさん、お元気で!

ばねっこ(筆)