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第2回 「ばね」はお相撲さん

さて、今回のテーマは、「ばねはお相撲さん」です。
「ばね」と「お相撲さん」?「何の関係があるの?」と、頭を傾げていませんか?日本人なら「相撲を見たことがない」・・という人は、まずいないでしょう。日本の国技ですね。お相撲さんは、鍛えぬいた筋肉を使って、何とかして相手を土俵から出そうとしたり、体を土に着けようとして「押したり」、「引いたり」します。そして、相手は、その押し引きに負けないように反発します。

「押す」ことに反発するばねと、「引く」ことに反発するばね

「ばね」にも、「押す」ことに反発するばねと、「引く」ことに反発するばねがあるのです。
例えば、椅子のばねは、座った体重に反発します。押された力に反発することにより、私たちは自らの体重による衝撃を回避しています。
一方、昔ながらの荷物をぶら下げて重さを計る「秤(はかり)」を思い出してください。秤の先に大きなフック(釣り針みたいな)が付いていますね。このフックに荷物をぶら下げると、秤の中にあるばねが下へググーっと伸びて行きます。つまり、「引く力」に反発しているわけです。
このような「押す力」と「引く力」を解除(椅子から立ち上がったり、荷物を秤から外す)すると、それぞれのばねは元の位置(状態)へ戻る力を持っています。どうですか?「ばねの押し引き」はお相撲さんと同じでしょ?
お相撲さんの鍛えぬいた筋肉は「ばね」なんですね。それにしてもお相撲さんの体重を計る体重計は、「フンっ」とか言って顔を真っ赤にして頑張ってるんでしょうね~。

さて、今回のお話はここまでです。
ちょっと年配の方でしたら「押してもだめなら引いてみな」という台詞をご存知でしょうね。好きな人を自分へ振り向かせるための涙ぐましい努力の表れです。
そうだ、次回は「心のばね」について研究してみるのもいいかもしれませんね。

それでは、次回をお楽しみに。

ばねっこ(筆)