第16回 オリンピックの「ばね」
みなさん、こんにちは。 夏がやってきましたねー。 夏休みの計画はバッチリですか? この春からガソリンが高騰しているので、車で出かける人が例年より少し減る可能性があるそうです。 安全運転でお出かけください。
さて、いよいよオリンピックが始まりますね。 夏の北京は、とても暑いですから、選手の皆さんも体調管理が大変難しいと思います。
実はオリンピック競技の殆どに、ばね(弾性)が利用されているのです。 ご存知でしたか? ばね(弾性)が利用されている競技を挙げたらきりが無いほどです。
例えば陸上競技の場合には、シューズです。 スポーツメーカーは選手一人ひとりの足の状態を測定し、その人が最も能力を発揮できるように、様々な工夫を凝らしています。 シューズの底(ソール)には、ウレタン系やゴム系、更にはジェル系の素材を配置し、選手の足へ掛かる負担を軽減すると同時に瞬発力などを生み出しています。
また、陸上の中でもトラック競技の場合には、トラックに敷かれているアンツーカーという素材も本来は塩化マグネシウムなどを添加した粘土を高温で焼いた素材でしたが、近年は弾力性を持った素材も含まれるようになりました。
陸上競技以外でも、柔道の床、射撃用銃器の引き金、野球道具、バレーボールのネット、体操の各種器具・・・・、本当にきりがありません。
様々なスポーツにばねが利用される理由は大別すると以下の2つです。
1. 身を守る 2.大きな能力を発揮する。
1. 身を守る
シューズもそうですが、例えば柔道の床が土やコンクリートだったら、大怪我をするでしょう。選手の体を守るためにばね(弾性)が利用されています。 また、競技に利用する道具や身につけるものにも、なるべく疲労が溜まらないように、様々なばね(弾性)が利用されています。腕や足に多く利用するサポータも、ばね(弾性)の応用と言えるでしょう。
2. 大きな能力を発揮する。
シューズのソールは、地面を蹴った時の瞬発力を大きく発揮できるように工夫されています。また棒高跳びなどに使われる棒が、あんなに撓らなければ、危険性も高まるのと同時に、高く飛ぶことはできないでしょう。 今回のオリンピックで注目されている素材の一つが、競泳用水着ですね。 某メーカーの水着を着ることによって自己ベスト記録を更新できる可能性が高い、というのが評判になっています。 実はこの水着も、ばね(弾性)を利用しています。水に浸かる前と後では、体を締め付ける力が変化するそうです。水に浸かってもただキツイだけでは、選手の力は発揮できません。 この水着の伸縮率が選手が持っている本来の能力を発揮させているわけです。
つまり、この「ばねの話と技術」の「第2回 「ばね」はお相撲さん」にも書きましたように、「引く力」と「押す力」をうまく利用している代表的例がスポーツと言えるでしょう。
さて、今回はここまでです。 さあ、皆さん、好きな選手、好きな競技を応援しましょう 選手の皆さんから感動をもらい、この夏を乗り切りましょうね。
それでは、みなさん、お元気で!
次回は、小さな小さな「ばね」のお話です。 お楽しみに!
ばねっこ(筆)