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第12回 ”ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その7)

みなさん、こんにちは。
とうとう、夏休みも終わり、また仕事に専念しなければなりませんね。


残暑お見舞い申し上げます!


今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」の最終回です。
パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に


(1)燃料系

(2)駆動系

(3)開閉機器

(4)ファスナー

(5)ハーネス

(6)精密部品

(7)クランプ部品


です。
今回は最後の(7)クランプ部品の製品について紹介しましょう。


金属パイプとゴムホースをつなぐ ”ばね”

“クランプ部品”とは、ホースが金属パイプなどから抜けないように、しっかりと留めるための部品です。

自動車は、いくつかの液体を積んでいます。
例えば、ガソリンなどの燃料、エンジンオイルやパワーステアリングオイル、それにATF(オートマチックフルード)などの潤滑オイル、ウインドウオッシャー液、エンジンを冷やすクーラント液などですね。

これらの液体は、金属パイプとゴムホースなどをジョイントして各所へ流れています。

クランプ部品としては、主に板クランプとねじ式クランプがあります。

板クランプは、自身が反発する力(締める力)を持っていますので、ホースが熱などによって劣化していっても、それに追従してしっかりと接合部分を留めることができます。
また、板クランプには、元々(工場出荷時)クランプが広がっていて、接合部分へ移動させてから、ある部品(ホルダー)をペンチなどで「ピッ」と外すだけで「ギュッ」と閉まるような種類があります。1つのアクションで簡単に装着できるので、作業時間を短縮することができます。


最近では、ホルダーの廃却が、環境にも経済的にもやさしくないため、板クランプに自分で広がっていられる機構が付いていて、ペンチでにぎるとひとりでにホースを締め付けられるホルダーレスクランプと呼ばれるタイプが主流になってきています。


ボンネットの中で繰り広げられる、パイオラックスのばね技術。

ねじ式クランプは、接合する輪の部分にボルト、ナットやウオーム式のねじが付いています。このねじを締めることでゴムホースなどを固定することができます。特に、内部の液体の圧力は低いが、ホースなどの抜け防止を優先させたい部位に使用されています。


「あ~、あれか!」と、皆さんもボンネット(エンジンルーム)を開けた際に見ているはずです。これまでに紹介してきましたファスナー(第9話)やハーネス(第10話)に並んで、自動車では多く利用されている部品です。


さて、今回の話はここまです。
連続7回にわたって紹介させていただいた「ばね」は、主に自動車に利用されるような「ばね」でした。
次回からは、もっと身近な生活の中に見る「ばね」についてお話しようかと思っています。


それでは、次回もお楽しみに。


ばねっこ(筆)