第5回 自動車のばね-その条件とは?
みなさん、こんにちは。2006年が始まりました。今年もよろしくお願い致します。 この冬は全国的に寒さが厳しいですね。雪もたくさん降りました。雪国の皆様、頑張ってくださいね。
さて、今回のテーマは「自動車のばね-その条件とは?」です。 これまで「宇宙のばね」や「心のばね」とか、本業からかけ離れた「ばね」の話ばかりだったので、今回からは少し商売につながるような「ばね」の話をしたいと思います。
パイオラックスは、「弾性を創造するパイオニア」(社名の源です)をスローガンに据えて自動車や医療、生活において利用される様々な「ばね」を造っています。「ばね」と言っても金属性の丸まっていてビヨヨ~ンと跳ねるばねだけではありません。弾性、つまり弾力を応用したモノなら何でも「ばね」として造っているんです。 その中でも最も生産量が多い「自動車のばね」から紹介して行きたいと思います。
皆さんは自動車の中やエンジンルームやトランクルームを開けて、どこに「ばね」が利用されているのかを見たことはありますか? 自動車の設計や製造、修理などに関わる人以外、実はほとんどの人は見たことがない(見ても気付かない)のではないでしょうか? 自動車の種類によっても異なりますが、1,000個以上のばねが利用されている自動車もあります。えっ~、そんなにあったら気付かないはずはないよ~! と思うでしょう? どこにどんなふうに使われているか?の疑問を解決する前に、自動車に使われるばねの条件からお話しましょう。
そして自動車は、これまで化石燃料であるガソリンや軽油を燃やして(爆発させて)動かしてきましたが、なるべく少ないエネルギーによって走行できるように車体を軽くしなければなりません。だから、「ばね」は「重くないこと」も1つの条件です。
「丈夫で、軽くて、長持ち」な「ばね」を造らないといけないのです(お嫁さんにしたいぐらいです)。「なるほどね~」とうなずいていただけるでしょう? でも、どうしたらこの条件をクリアした「ばね」を造れるのか?
答えは「金属を使わない」です。樹脂(プラスティックなど)を材料として「ばね」を造るようになったのです。ただし「強度」などの問題から金属のばねが圧倒的に多く使われています。 金属や樹脂だけでなく空気やオイルを使ったばねもあるんです。
さて、今回のお話はここまでです。 自動車に使われている「ばね」は、金属や樹脂、空気、オイルを使っているということを覚えてください。試験には出ません。
次回は、ばねが実際に自動車のどこに使われているのか? を解決します。 それでは、次回もお楽しみに。
ばねっこ(筆)