第6回 “ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その1)
みなさん、こんにちは。日本は“ゴールデンウイーク”という長期間の休暇があって、春から初夏への移り変わりを思う存分、楽しむことができます。 でも、どの行楽地へ行くにも道路は渋滞! でも電車と違って、車は、楽しい気分で家族を乗せて、行きたい所へ直接行けるのが、何と言っても便利です。
さて、今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」です。 ゴールデンウイーク中に長時間運転してグッタリと疲れているお父さんも、楽しく勉強しましょう。
パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に
(1)燃料系 |
(2)駆動系 |
(3)開閉機器 |
(4)ファスナー |
(5)ハーネス |
(6)精密部品 |
(7)クランプ部品 |
です。 今回は、この中の (1)燃料系の各製品についてお話しましょう。
「燃料系」の製品としては、燃料タンク内とその周辺に使われているバルブ、チューブ、コネクター、フィルターなどがあります。自動車の製造や整備に関わる人以外は、通常は目に触れることはありません。燃料系の製品ですから自動車の安定走行や安全を確保するために、非常に重要な役割を担っています。
例えばガソリンタンクへ給油する際には、給油口を開けて給油ノズルを挿入します。ノズルからは勢い良くガソリンが流れて行きます。満タンになる頃にはタンクの中のガソリンと激しくぶつかって給油口からガソリンが飛び出して来そうですが、そんなことは起こりません。そうなんです! そこには逆流防止の機構部品が使われているのです。
チューブやコネクターは、ほとんどの場合、一緒(一体型)になって使われております。 皆さんは、ガソリンタンクの中は、ただの“ガラン洞”だと思っていませんか? 実はタンク内にもチューブが這っているのです。
燃料タンクまわりの温度変化などによって中の圧力が高くなったり低くなったりします。この時タンクが密閉されているとタンクが膨れたり潰れたりしてしまう恐れがあります。このため、タンクの内外をつなぎ圧力を逃がす通路が必要ですが、そのままですと燃料が漏れたりしますので燃料漏れを防ぐバルブや圧力を適正に保つバルブがこの通路に組み込まれていて、このようなバルブにもばねが使われています。
また、この通路に使われるチューブには“コネクター”とよばれる接続部品が付いています。このコネクターにも弾性(ばね)が応用されていて、工具を使わなくても“カチッ”と接続することができます。このような接続方法なので、ガタガタ走行や経年(自動車の使用年数)によってネジが緩むような事態を回避しています(ネジではないので緩みません)。それに、工場における組立て時間を短縮しています(業界内部のお話ですが)。
さて、今回のお話はここまでです。 ふ~。通常見えない所に使われている製品を伝えるのは、すっごく難しいですね。 でも、何となく「そっか、あそこに使われていて、こんな役目を果たしているんだな~」とイメージを持っていただけたのではないでしょうか。
次回は、(2)駆動系の各製品についてお話します。 それでは、次回もお楽しみに。
ばねっこ(筆)