メキシコ版お盆!?「死者の日」
No.2012_07(2012年11月5日 更新)
皆様いかがお過ごしでしょうか。メキシコは、まだまだ暖かい日が続くと思っていたのもつかの間、急激にひんやり寒くなってきました。そんなメキシコから少し変わった文化をお届けいたします。
メキシコの11月には、少し変わった独特の文化があります。11月2日は「死者の日」と呼ばれ、街がカラフルに飾られます。これは日本で言うところのお盆だと思われます。11月1日は「子供の死者の日」で2日が「大人の死者の日」と言われています。
古代スペイン時代には死というものは存在しませんでした。死は、単に真の人生に向かうための移行の時間と空間と考えられていました。現在では、死が最後と考えられ昔とはかなり違ったコンセプトになっています。
しかし、メキシコの一部地域では、古代スペインの信仰が引き継がれ、死は生まれ変わりと信じられています。彼らを「Xantolo」と呼びます。Xantoloの中ではこの古代の文化を引き継いでいくことはとても大切なことだと考えられています。これらの信仰は人間と自然、そして人間と神様との間で交信の現れであると考えられているからです。
供え物は街によって微妙に違い各地の特色が出ます。死者の日には、自宅の中に祭壇や小さな神社を築く家庭もあります。祭壇を建てるのはその家のメインとなる場所が選ばれます。祭壇には地、風、水、火 の4つの自然の主の要素が含まれます。
地は作物によって現されます。メキシコ人は霊魂が食べ物の香りを吸って存続すると信じています。
風は、動く物によって現されます。よく使用されるのがティッシュペーパーで、一般的に風を表すために使用されます。
水はそのまま水によって現されます。水は霊魂の長い旅の後、その渇きを癒す為に必要とされ、容器に入れて奉られます。
火はろうそくで表されます。灯されたろうそくは霊魂を表しており、灯されていないろうそくは忘れられた霊魂の為に奉られます。
伝統的に、家族は祭壇の周りでお祈りをしたり、故人の逸話を話したりし時間を過ごします。他の人は、お墓にお参りに行き、そこで独自の祭壇を作って故人の好きな食べ物や飲み物だけでなく、写真や記念品などを奉ります。メキシコの一部地方では10月と11月に「死者の花」とメキシコでは呼ばれる小さなマリーゴールドが各地で咲きます。それを使い祭壇を飾るのが一般的となっています。ぜひ一度このユニークなメキシコの伝統行事を経験されてはいかがでしょうか。