スポーツ・デイ
No.2016_01(2016年3月28日 更新)
会社という組織で働く従業員にとって、仕事へのモチベーションを高めるものはいくつかあります。上司の激励や理解もそうですし、忘れてならないのが、レクリエーションです。 2015年の11月から12月にかけて、チェンナイは洪水に見舞われました。スリシティやチェンナイに拠点を置くあらゆる企業が、15日間にもわたり製造・供給に影響を受けましたが、パイオラックス インディア(以下PI)も例外ではありませんでした。洪水の収束後は、被害への予防措置を講じつつ、顧客ニーズに対応するためにフル生産を続けてきました。 一方でPIは、前報告記事にもあります通り、工場の拡張工事の真最中であり、5月末には完成予定です。このような慌しさの中ですが、社員のモチベーションアップのためのレクリエーション計画を中止しようという声は上がりませんでした。そう、従業員の心身のレフレッシュのため、四半期ごとにスポーツ・デイが開催されることになったのです。2月20日、記念すべき最初の大会があり、全社員がこぞって参加しました。
特にスポーツとゲームの大会にした訳は、ともにチームワークや自信を高め、チームとしての一体感を感じることが出来るなど、組織で働くうえで良い相乗効果があると思われたからです。 110人の従業員それぞれが、バレーボールやクリケット(男性向け)、椅子取りゲームやランゴリコンクール(女性向け)などのスポーツやゲームに参加しました。 【クリケット】 世界的な人気を獲得しつつあるクリケットですが、ここインドでは、長年にわたり最も有名かつ国民が熱狂するスポーツです。インドの国技はホッケーですが、インド人が目の色を変えるのはクリケットの試合です。宗教以上にインドの全域にわたって広まっており、宗教や身分を問わずに愛好されているのです。また、インドでは誉れあるスポーツとされており、日々の生活の中でも大きな役割を果たしていると考えられています。
クリケットにはテストマッチ、ワンデイ、トゥエンティトゥエンティなどの試合形式があります。インドではインディアン・プレミアリーグ(IPL)とセレブリティ・クリケットリーグ(CCL)という2大リーグも有名です。 インディアン・プレミアリーグは世界でも最大のクリケットのプロリーグで、様々な国のプロ選手が所属しています。 一方、セレブリティ・クリケットリーグのメンバーは映画俳優です。俳優たちは各々の出身州でチームを作り、試合に参加しています。このリーグの収益金は、癌や心臓疾患、HIVなどの病気に苦しむ人々の治療と福祉に利用されています。 【ランゴリ(砂絵)】 コーラム、ムッグルなどの呼び名もあるランゴリは、インドに古くから伝わる伝統芸能で、着色した米や小麦粉、色砂や花びらなどを使い、様々な吉祥文様をリビングの床や中庭に描くものです。 通常は、ヒンドゥ教の神々を招く聖なる場所のシンボルとして、ディワリ祭や他のインドの祭りの期間に作られてきました。この文様は世代から世代へと受け継がれ、芸術と伝統を今日に伝えています。
ランゴリを作る目的はデコレーションですが、それだけでなく、幸運を招くとも信じられています。文様のデザインは、民族や地域固有の伝承技能により様々なものがありますが、伝統的に女性が作るものです。描かれたランゴリは前述の祭りや伝統行事、結婚式などの催しを彩る装飾として披露されます。シンプルな幾何学模様や神の姿、花や花びらの形のものもありますし、大勢の手で作られる非常に精巧で緻密な文様のものもあります。 【表彰式】 競技後は、それぞれの競技の優勝者たちが集まり、メダルと表彰状を授与されました。 「本日、スポーツやゲームに取り組んだのと同じ熱意で業務にまい進してください。社員全員がそうしてくれれば、次回のスポーツ・デイはもっと盛大に祝えるでしょう」との主催者スピーチで閉幕しました。