第9回 “ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その4)
みなさん、こんにちは。2007年になりました。昨年は、多くの方々にこの「ばねの話」を読んでいただきまして、感謝申し上げます。今年も、頑張って原稿を書き続けます。どうぞ、ご期待ください。 年末年始をスキー場や温泉で過ごした方々も多いのではないでしょうか。冬のドライブは、ガラスの結露やタイヤのスリップなど、危険がいっぱいです。みなさん、気をつけてくださいね。
さて、今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」の4回目です。 パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に
(1)燃料系 |
(2)駆動系 |
(3)開閉機器 |
(4)ファスナー |
(5)ハーネス |
(6)精密部品 |
(7)クランプ部品 |
です。 前回は「開閉機構部品」の製品を紹介しましたので、今回は(4)ファスナーの製品について紹介しましょう。
「ファスナー」という言葉を耳にすると、多くの人は「ジッパー」(かつては、チャック)を思い浮かべるのではないでしょうか? 「えっ? 車のどこにファスナー(ジッパー)なんてあったっけ?」と疑問に思ってしまいますね。
ファスナー(fastener)は、「留め具」や「締め具」を意味します(動詞はfasten留める)。 つまり、自動車の様々な内外装部品や配管類を固定するために利用されている部品のことです。 そして、このファスナーには、金属製と樹脂製とがあります。
例えば、内装用としては、外観性を重視し、人目につかないところに設定する隠しタイプのファスナーがあります。これらは、ドアの内張り等に使われています。また、脱着繰返し性に優れた再使用タイプのファスナーは、修理や部品交換の可能性を持ったエンジンルーム内の部品の固定に利用されています。
また、外装用としては、ねじ締結の代替等としてもファスナーが利用されています。例えば、高せん断かつ高保持力を持ち、取付作業性に優れた樹脂製品。一方向から組み付け可能な樹脂製ナット。相手部品に仮固定できる金属製ナットなど、ファスナー製品の種類は豊富です。
「地球環境に優しい車造り」に対し、部品のレベルから貢献できるような製品を開発および提供しています。
さて、今回のお話はここまでです。
実は、自動車の中に使われているファスナーを目にすることは難しいかもしれません(修理屋さんを除いて)。でも、最も多く使われている部品が、このファスナーなんです。平均して1台の自動車には200個ほどのファスナーが使われているそうです。驚きですね。
ファスナーを理解していただいた皆さんは、これから自動車を運転する時に、同乗者へ「この車にはたくさんのファスナーが使われているんだよ」と、教えてあげてくださいね。同乗者は「???。この車のどこに、ジッパー(チャック)が使われているのかな~?」と、不思議そうな顔になるでしょう。
次回は、(5)ハーネスの各製品についてお話します。 それでは、次回もお楽しみに。
ばねっこ(筆)