第8回 “ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その3)
みなさん、こんにちは。暑く、長い夏が去り、野山が色づく季節を迎えましたね。 みなさんは、「食欲の秋」、「読書の秋」、「スポーツの秋」、「行楽の秋」のうち、どの「秋」を過ごされますか? さて、今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」の3回目です。 日本の秋は連休も多く、行楽に、そしてスポーツに、自動車を利用する回数も増えてきますね。今回も楽しみながら勉強しましょう。
パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に
(1)燃料系 |
(2)駆動系 |
(3)開閉機器 |
(4)ファスナー |
(5)ハーネス |
(6)精密部品 |
(7)クランプ部品 |
です。 前回は「駆動系」の製品を紹介しましたので、今回は(3)開閉機構部品の製品について紹介しましょう。 「開閉機構部品」とは、文字通り、「開けたり、閉じたり」できるモノです。パイオラックスの製品の中においては、消費者(自動車の利用者)にとって目に見える部分に使われている製品です。
(以下に紹介する機構は、自動車メーカーや車種によって異なります)
例えば、運転席と助手席との間にある蓋付きの小物入れボックス。パイオラックスが製品化したのは「両開きリッド」という、運転席側からでも助手席側からでも開けることができる蓋です。
あるいは、 パイオラックスが製品化したグローブボックス(※1)のロックは、ボックスの両側にツメを出しており、激しい車の振動によって蓋がガタつくことを回避しています。
(※1)グローブボックスと呼びます。自動車が開発される前、馬車に乗っていた時代、手袋を入れるための箱が椅子の前にあったので、このように呼ばれています。
ここまでは、開閉器としての機構部品を紹介してきましたが、パイオラックスが製造している「開閉部品」には、更にもう一つ、「ダンパー」という扉や蓋に付ける部品があります。
みなさんにとって見えるものを紹介しましょう。
自動車の後部座席に座った時に、電車のつり革のようにつかまる「アシストグリップ」があります。このグリップを離した時に、ゆっくりスムーズに元の位置へ戻ります。また、グローブボックスを開いたときには、バタンと開くのではなく、ゆっくりと開きます。
このように、各装置(部品)の高級感を演出するために使われているのが「ダンパー」と呼ばれる部品なんです。そして、このダンパーには、エアダンパー、オイルダンパーがあります。グローブボックスにはエアダンパーが、アシストグリップにはオイルダンパーが利用されています。 エアダンパーの原理は「注射器」です。注射器の内側を滑る棒の端が蓋につながっています。そして、蓋を開けると「空気」が少しずつ入りゆっくりと蓋が開くわけです。
オイルダンパーを利用したアシストグリップの場合には、ダンパーの中に粘性を持ったオイルが入っており、グリップを離すとこの粘性によってゆっくりと元の位置へ戻るのです。
自動車以外にも、ドリンクの自動販売機の取り出し口の蓋がゆっくり閉まったりするのもこの「ダンパー」と呼ばれる部品が使われています。
さて、今回のお話はここまでです。 「な~んだ、あれか~」と思われた方も多いのではないでしょうか? パイオラックスの製品が自動車の中において使われている場所がわかってくると、他の人にも(ちょっと偉そうに)教えたくなってしまいませんか? 遠慮なく、どんどん宣伝してくださいね。会社の人、恋人、奥さんや旦那さんに話したら、これまでとは違った角度から尊敬されちゃうこと、間違い無し!
次回は、(4)ファスナーの各製品についてお話します。 それでは、次回もお楽しみに。
ばねっこ(筆)