第10回 ”ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その5)
みなさん、こんにちは。今年もまたゴールデンウィーク(日本では)がやってきますね。レジャーの計画は進んでいますか? 中には「人混みは嫌いだ」と言って家でのんびり過ごす人もいるでしょうね。でも、近くの公園や川へ行ってみるだけでも、季節の移ろいを感じることができますよ。車で出かける人は、安全運転に心がけてくださいね。
さて、今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」の5回目です。 パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に
(1)燃料系 |
(2)駆動系 |
(3)開閉機器 |
(4)ファスナー |
(5)ハーネス |
(6)精密部品 |
(7)クランプ部品 |
です。 前回は「ファスナー」の製品を紹介しましたので、今回は(5)ハーネスの製品について紹介しましょう。
自動車の中を血管のように縦横に走る電線(ハーネス)類を束ねたり、車体パネルに固定するためのバンドクリップやその他のクリップ類です。 このハーネス用樹脂製品は、海外に存在する当社グループ工場の全てにおいて生産され、そして各地域のハーネスメーカーへ提供されています。
このハーネス用の各種クリップは、自動車の中に居てはなかなか目にすることはできませんが、ボンネットを開けると、一部ですが見ることができます。
ちなみに、このバンドクリップは、自動車以外に、電気製品の中にもたくさん使われています。「ケーブルタイ」とも呼ばれています。
今後は、環境問題を考慮したハーネス用樹脂製品の実用が見込まれています。
さて、今回のお話はここまでです。
自動車のエレクトロニクス化がどんどん進んでいます。例えば、CANネットワークです。CANの採用当時は高級車に限定されていましたが、現在では多くの車種に採用されています。これによって、ハーネス(電気信号を伝える線)の本数は少なくなってきました。かつては、自動車の総重量に対し約30%がハーネスの重量でしたが、現在は20%以下になってきました。今後は、更にハーネスの重量は軽減していくと思われます。
しかし、ハーネスの重量は軽減の傾向にありますが、一方では配線箇所(配線方向)は増大しています。エレクトロニクス化が進んでいるからです。
また、3年から5年後には、FlexRayという自動車内ネットワークが採用されます。 このFlexRayが自動車に採用された場合には、例えば現在はハンドルの回転を機構部品(機械的メカニズム)によってタイヤを動かしているのが、電気信号のみによってタイヤを動かすようになります。つまり、またハーネスの本数が増大していく傾向になります。しかし、自動車の総重量は、一気に軽減されます。ハーネス重量の増大よりも機構部品の重量軽減の方が大きいからです。自動車は、一層軽く、そして環境問題も解決することになりますね。
次回は、(6)精密部品の各製品についてお話します。 それでは、次回もお楽しみに。
ばねっこ(筆)