第25回 「木」に感謝しましょう。
みなさん、こんにちは。
かなりご無沙汰です。 震災後の対応に追われるなど、多忙を極めておりました。 ばねの需要が最も多い自動車産業へのばね供給にも目処が立ち、やっと震災前の生産体制へ戻りつつあります。
今後も高品質な製品を、よりスピーディに提供してまいりますので、 引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
今年の夏も暑かったですね~。 でも、この頃は、草木の様相は秋を感じさせてくれます。 桜の葉はほとんど枯れ落ち、楠の茂った葉も茶色へと変色してきました。
この「木」こそが、私達日本人にとって古くから「ばね」として活用されてきたことをご存知でしたか?
それは、「弓」です。 日本において最も古い「ばね」は「弓」だと言えるでしょう。
縄文時代には、今よりもちょっと短いですが、既に弓が使われていました。 弥生時代には、東南アジアの影響を受けて、今のような長い弓に大変身。 この頃の弓は、様々な木の枝を利用し、削るなどの加工を施していたようですが、ほとんどはそのままの素材を活かしていました。
ところが、平安時代になると、「竹を使ってみたらどうだろう」ということになり(多分)、木の両サイドを竹で挟んだ弓が作られたようです。
人間というのは、本当に偉いですね。 「もっといいもの」を考えるんですから。 「人間は考える葦だ」と言ったのは、フランスの哲学者・数学者・物理学者(肩書き多い!)であるパスカルでしたね。 「足」じゃなくて「葦(リード)」ですよ。サックスやクラリネットの吹くところにつける薄い板がこのリードです。
パスカルが、なぜ「人間」と「葦」を並べてこのように表現したのか? 「ひ弱な葦と同様に人間もひ弱だが、ただ人間は「考える」ことができる」と言いたかったらしいです。 私個人としては、葦はひ弱だとは思わないんですが・・・。 結構、硬いし、湿地でたくましく生息してますからね。
すみません。話がそれてしまいましたね。
そうそう、奈良時代の箸は竹をUの字に曲げた形をしていたんですよ。 ピンセットやデレキ(地方によってはデレッキとも)みたいな形です。 「デレキ」と言ってもわからない人が多いと思いますが、炭や薪をつかむ金属製のでかいピンセットみたいなものです。焼肉屋さんへ行くと肉をつかむトングがありますが、あれの3~4倍ぐらい大きいものです。
で、その竹の箸なんですが、今でも天皇家では、重要な祭事には利用しているとのことです。
そういえば、U字型のはさみもありますね。 私が子供の頃には、羊の毛を刈るのに大きなU字型のはさみをつかっていました(私じゃないですよ)。 その後は、手動バリカンになり、更にその後は電気バリカンになりました。
とまぁ、今回もだいぶ話が脱線してしまったのですが、「木々もリッパなばねである」と言いたかったのです。
さて、今回はここまです。
これから「行楽の秋」本番ですね。 温泉に浸かった後などは特に睡魔が襲ってきますから、安全運転をお願いします。
それでは、みなさん、お元気で!
ばねっこ(筆)