「ファスナー」という
部品の世界を究めたい。
自他ともに認める
スペシャリストを目指して。
「ファスナー」という
部品の世界を究めたい。
自他ともに認める
スペシャリストを目指して。
設計開発職
理工学専攻知能機械創製理工学
教育プログラム卒
2018年入社
大学院では自動車の運転の快適性や静寂性を実現するため、「振動」を抑制する研究に取り組みました。こうした機械系の知見を活かしたいと思い、就職に際してはものづくりに携わりたいと考えました。中でも、惹かれたのが自動車分野です。自動車は「CASE」という言葉に代表される大きな変革の時代が到来しており、その中に身を置くことで技術者として成長できると感じました。
当社への入社は、インターンシップに参加したのがきっかけです。本社で設計の実務を経験し、その後生産現場を見学しました。実感したのは、対応してくれた社員の方々の人の良さであり優しさです。このような人たちと一緒に仕事がしたいと思ったのが、入社の理由の一つです。また、当社が製造する精密金属ばねや合成樹脂のファスナーなどの製品は、目には見えませんが、「縁の下の力持ち」のような重要な存在として自動車産業を支えていること、さらに製品の一部ではなく、一つの製品の開発から設計まですべてに携わることができる点に魅力を感じて入社を決めました。
入社以来、自動車に使われるファスナー部品の設計・開発を担当しています。ファスナーといってもジッパー(チャック)ではありません。ファスナーは留め具や締め具のことで、自動車の内外装部品や配管類を固定するために利用されている部品を指します。たとえば、配管を固定するパイピング、ボディー部の穴を埋めるためのプラグなど、一台の自動車に約200個のファスナー部品が使われています。私たちの仕事は、自動車メーカーが数年先に発売を予定している、新型車の仕様・要望を受けることから始まります。まず仕様に合った形状を検討し、3Dモデル、見積り図面を作成します。その後、受注が決まれば詳細設計を進め、製造、評価という流れになります。
お客様の要望の難易度は様々です。既存製品の改良や、まったく新しい構造を考えるケースもあります。いずれにしても迅速な対応が必要であり、そのためにも他部署とのスムーズな連携、密なコミュニケーションを大切にしています。
最近発売された新車で、私が担当した「サンシェードフック」が採用されました。サンシェードは、ガラス部分などの内側に取り付けることで、車内を日差しからガードするもの。このサンシェードの留め具を車体に固定する部分の設計を担いました。ポイントになったのは、挿抜力です。軽い力で固定でき、抜けにくいような形状の検討を進めました。この製品は新入社員時代、設計に携わったものであり、達成感とやりがいを感じました。最近はEV車の登場で本格的な「CASE」の時代を迎え、ファスナーにも今までにない機能が求められていることから、新しいことに挑戦できる面白さを感じています。EV車内はガソリン車よりも静かですが、そのため、かえって振動や音がガソリン車以上に気になるという声があり、防振機能が付加された新たなファスナー開発も始まっています。今後、ファスナーに関する知見を積み重ねて、お客様の課題を解決する力、新たなアイデアを生み出す力を養っていきたい。そしてファスナーのスペシャリストに成長することが目標です。